冠動脈疾患について

自覚症状

  • 朝、通勤時、焦って歩くと胸が締めつけられてくる。
  • 重いものを持ったり握力を使う仕事をすると胸が締めつけられる。
  • 夜中に胸の真ん中がギューと締められて目が覚め、数分間でおさまる。

検査

心電図検査を行い、心電図異常が見られた場合は専門機関での精査が必要です。また安静時に心電図を施行しても症状がない場合は心電図変化が現れないことは多々あります。運動負荷心電図 心臓カテーテル検査、心臓超音波検査 心臓CT等専門機関でしか行えない検査が必要です。ぜひ当院に一度ご相談下さい。
以下当施設の特徴をご紹介致します。

特殊な場合

  • 高齢者、糖尿病または脳梗塞の既往のある症例の場合、胸痛がなく食振不振だけということもあります。これらのケースの場合何となく息苦しいとか、疲れやすい、食欲がなくなったといったからだの不調が現れた時には心電図等のチェックをする必要があります。
  • 75歳以上の高齢者の場合、15%は呼吸困難、意識障害、悪心などの非特異的症状で発症します。
  • 痛みの場所は胸だけではなく首の痛み、歯痛といった症状の場合もあります。

当科で行える治療について

自覚症状

冠動脈造影で冠動脈に狭窄があった場合、軽い場合はカテーテル治療を行いますが、重い場合はハートチームでカテーテル治療か手術治療が適切か相談した上で、ご本人にあった適切な治療法をご提示させて頂きます。一般的にはカテーテル治療が技術的に困難な症例、多くの血管が狭窄している状態であったり、左主冠動脈という大事な血管に病変があった場合は冠動脈バイパス術の適応となります。

CABG(冠動脈バイパス術)
大きく正中切開して人工心肺下に冠動脈バイパス術を施行します。使用するグラフトは内胸動脈、大伏在動脈、胃大網動脈、橈骨動脈などを用いています。
【トーアエイヨー提供:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラスより】

上記以外にも当院では、下記のようなより高い技術を要する治療を選択することも可能です。

OPCABG(オフポンプ冠動脈バイパス術)
常の人工心肺装置を用い、心停止をしてバイパス手術を行なうと脳梗塞を起こす危険が高いと判断した際には、人工心肺装置を使わず、心拍動下にバイパス術を行います。上行大動脈には操作が加わりません。これは技術的には難易度が高く、術中の循環動態が不安定で困難な場合がありますが、より生理的な状態が保て、人工心肺に起因する合併症を起こさず、また最大な合併症である脳梗塞を起こす危険が格段に少なくなるということが最大の利点です。
MID-CABG(低侵襲冠動脈バイパス術)
通常のオフポンプ手術では胸骨正中を大きく開胸しますが、低侵襲冠動脈バイパス術の場合は左乳房の肋間下を小さく切開します。小開胸であり手術後は比較的早い回復が望めます。バイパスの数が1本に限られるなど手術ができる条件に限界があります。病態によってはPCIと組み合わせることもあります。
MID-CABG(低侵襲冠動脈バイパス術)
通常のオフポンプ手術では胸骨正中を大きく開胸しますが、低侵襲冠動脈バイパス術の場合は左乳房の肋間下を小さく切開します。小開胸であり手術後は比較的早い回復が望めます。バイパスの数が1本に限られるなど手術ができる条件に限界があります。病態によってはPCIと組み合わせることもあります。
手術後は抗血小板剤の内服を継続します。その他、残存病変の有無などに応じて薬剤調整をさせていただきます。安定すれば貴院外来に通院していただくことも可能となりますが、定期的に(年1、2回程度)当科でも外来フォローをさせていただきます。
【画像提供:日本メドトロニック株式会社提供】

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