2010年 心臓・血管外科 Annual Report

遅くなりましたが新年のお慶びを申しあげます。旧年中は格別のお引立てを賜わり、厚くお礼申しあげます。
獨協医科大学 心臓・血管外科は2009年4月に旧外科学(胸部)から分離、独立し一つの診療科及び講座となり1991年から始まった獨協医科大学での心臓血管外科の新たな一ページを刻むことになりました。更に、獨協医科大学日光医療センターに心臓・血管外科を新たに開設し本院は心臓・胸部大血管外科、日光では腹部大動脈以下の手術を担当し役割分担することといたしました。その手術実績をはなはだ簡単ではありますが纏めました。

2010年の手術統計

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全手術症例数 446例
心臓・胸部大血管手術
(開心術+OPCAB+胸部大動脈瘤の経皮的ステントグラフト内
挿術(TEVAR))
229例
先天性心疾患 7例
虚血性心疾患 80例
心臓弁膜症 82例
メイズ手術 12例
胸部大動脈瘤 60例
うち経皮的ステントグラフト 21例
その他の開心術 3例
腹部大動脈瘤 109例
うち経皮的ステントグラフト 75例
末梢血管疾患 56例
その他 52例

日光医療センター(2010年開設)

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総手術数 76例
腹部大動脈瘤 50例
経皮的ステントグラフト 34例
末梢動脈疾患 20例
その他 6例

手術の詳細は上記の通りで、日光医療センターで心臓・血管外科を開設し手術枠が増加した結果、手術総数は446例と昨年(336例)に比し100例以上増加いたしました。そのうちMajor cardiovascular surgeryは230例でした。主な疾患では虚血性心疾患80例、弁膜症82例、胸部大動脈瘤60例、腹部大動脈瘤109例などです。全国的な傾向ですがDES登場以来、冠動脈疾患(CABG)は減少傾向で反対に心臓弁膜症や胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤が増加しております。新しい取り組みとして、頸部分枝や腹部分枝にかかった胸部大動脈瘤に対するdebranced TEVARや弁膜症やASDに対する右小開胸での心臓手術(MICS)を始めました。残念ながら救命できなかった症例(病院死亡)が13例あります。待機例4例、緊急例9例です。No refusal policyでやっていますので術前から多くのリスク因子を持った症例が多く、また緊急症例もショックは術前状態不良症例で救命できませんでした。

2011年の取り組み

高齢化や経皮的ステントグラフト治療のような低侵襲手術の登場で術前ハイリスク症例が増加しています。このため引き続き、手術の低侵襲化を目指して大動脈瘤に対する経皮的ステントグラフト内挿術の適応拡大(図1)や弁膜症に対する小切開心臓手術(MICS)を積極的に行っていきます。また従来から行っている動脈グラフトの多用、僧帽弁及び大動脈弁弁形成術などのQOLを重視した手術を目指してまいります。

また大学病院の体制として心臓・血管内科、循環器内科と心臓・血管外科の関連三科でハートセンターを開設します。これは三科が連携して高度医療を提供し、患者様の受け入れ等で地域医療に更に貢献する目的で開設されます。改めてご案内があると思いますがよろしくお願い申し上げます。

獨協医科大学 ハートセンター